徐々にペースを上げていくビルドアップ走で得られる練習効果を紹介させていただきます。また、ビルドアップ走はどのように取り組めば良いのか、正しい練習方法も紹介しています。
目次
ビルドアップ走とは
ビルドアップ走とは、段階的にペースをアップさせるトレーニングのことです。最初はややスローペースから入り、徐々にペースを上げていくものです。例えば10kmを走るビルドアップ走の場合、最初の1~3kmを6分/kmペースで入り、間の4~6kmを5分40秒/kmペースに上げ、さらに最後の7~10kmを5分20秒/kmペースに上げるといったものです。
ビルドアップ走は効率的に追い込むトレーニングが出来るため、練習時間をほとんど確保出来ないような市民ランナーに人気の練習方法です。ただ、その分だけ、体への負担も大きくなり故障のリスクもあるため、故障しないように体のケアを十分に行う必要もあります。
ビルドアップ走で得られる3つの効果
1、レース後半のスタミナアップ
後半にかけて徐々にペースをアップしていくビルドアップ走によって、レース後半のスタミナをアップさせることが出来ます。レース後半で失速してしまうようなランナーには、ビルドアップが効果的です。
また、レースでの勝負を左右するラストスパートの力を付けるのにもビルドアップ走が効果的です。レース後半にペースアップさせる走りを体に身に着けることで、自然と後半でも脚が動くようになります。
2、心肺機能を高める
ビルドアップのように、走るうちにペースをアップさせていく走りをすることで、心肺機能を高めることが出来ます。心肺機能を高めるためには、インターバル走も効果的ですが、ビルドアップ走も心肺機能向上に効果的なトレーニングです。
特に練習時間が無い市民ランナーの場合、ビルドアップ走を取り入れることによって効率よく心肺機能を高めることが出来ます。
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3、ATペースの向上
ビルドアップ走によってATペースを向上させることが出来ます。優秀なランナーほどATペースは高い水準になっています。ATペースが向上すれば、それだけ同じ距離を同じペースでも楽に走れるようになり、より速く、より長く走れるようになります。ATペースの向上には、ペース走も効果的ですが、ビルドアップ走も効果的なトレーニングです。
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ビルドアップ走の正しい練習方法
1、ペース走より遅いペース→ペース走のペース→ペース走より速いペース
ビルドアップ走は、段階的に走るペースを上げていくトレーニングです。ビルドアップ走では、2段階でペースを上げていく走り方が一般的です。最初は普段のペース走より遅いペースで入り、1度目のペースアップで普段のペース走のペースで、2度目のペースアップで普段のペース走よりも速いペース走といったようにペースを上げます。
ペースアップする際は1kmあたり大体10~20秒あたりが基本です。
普段の10kmのペース走で5分/kmペースで走っている場合は、最初の入り(1~3km)は5分20秒/kmペースで入り、次の4~6kmを5分/kmのペースに上げ、最後の7~10kmを4分40秒/kmのペースに上げるといった走り方をします。
2、無理にペースを上げるというよりも自然とペースが上がるイメージで
ビルドアップ走は、走っていく中で段階的にペースを上げるトレーニングです。そのため、一定の距離が来ればペースを上げる必要があります。ただ、この際に、必死でペースを上げないとペースが上がらないようでは、そもそも元もとの設定したペースが速すぎるということになります。それでは、ビルドアップ走本来の効果が薄まってしまいます。そのようなときは設定するペースを見直してみる必要があります。
理想としては、走って体が温まっていくうちに自然とペースが上がっていくのが理想的です。必死でペースを上げるというよりは、走っていくなかで自然とペースが上がっていっているというのが良い走りと言えます。